July 10, 2010

最近、支持率調査っていかがわしくないですか?

参議院議員選挙が近づいていますね、という件で引き続き。

海外にいるので、毎日拡声器で名前を連呼する煩わしい選挙カーなんかとは無縁だし、日本のテレビ番組もほとんど見れないので(NHKワールドを時々見てるだけ)選挙の雰囲気は今ひとつないのですが、ネットのニュースを見てて思うのは、「報道機関って、こんなに始終世論調査をやってたっけ?」ってことなんですけど。小泉政権退陣後くらいからなんですかね、なんだか毎日のようにどっかで世論調査っていうか、政党支持率調査をやってる。

で、○○政権の支持率がまた下がったまた下がったと嘆いてみせる。それから、支持率が下がったのを見て、「〜への批判が影響していると思われる。」とか、したり顔な論評を書いてみせる。

でもね、このところその支持率調査の回数が多過ぎるというものあるんですけど、なんだか以前よりもマスコミのやる支持率調査、世論調査の説得力がなくなっていると思うのは、私だけ?

その1。
「無作為に電話をかけて意見を聞くRDD法で調査を行っています。有効回答率は65%。」っていうのが典型的な感じだけど、これって大丈夫なわけ? まず、「電話をかけたときに家にいる人」っていうところでバイアスがかかってるような気がしない?昼間電話してるのか、夜電話しているのか知らないですけど、有権者全体っていう母集団を正しく代表させるサンプルになってるのだろうか。もし昼間電話しているんだとしたら、会社員はほとんど電話にでないしさ。
 それから、有効回答率が6割、7割っていうのも、いいわけ?回答を拒否している人は、なんらかの理由があって回答してなくて、そこに何か有意なことが潜んでるんじゃないの?

その2。
マスコミが時の政権をけちょんけちょんに貶しておいて、そのマスコミが支持率調査をやるって、変じゃない?マスコミに批判的精神は必要だけど、いまの大手マスコミはあらゆる局面で揚げ足をとり、くだらないことを責め、「どうです?みなさん、○○総理はこんなにダメなんですよ。」って宣伝しまくるのが仕事になってるので、腹一杯そんな宣伝流しておいて、それから支持率調査をやったら、メディアリテラシーのあまり高くない層は「そうだそうだ!」って「支持しない」って回答するんじゃない?
「メディアリテラシーのあまり高くない層」ってやんわりと表現したけど、要はよくものを考えていないっていうか、内田樹先生の言葉をお借りすれば、「公民的成熟」が足りない層、っていう意味で使ったんだけど、マスコミの世論調査って、この層をターゲットにして調査を行ってないかって懸念がある。実はそういう層ってかなり厚いよ。mixiのニュースって、ニュースに会員がコメントを付けられるようになってますけど、ずらって並んでるあそこのコメントを見てみたら、反論する気にもならない意見、ノイズが山ほどぶら下がっててるじゃないですか。ああいう「公民的成熟」の足りない層にマスコミが「ほら、ひどいでしょう?」って訴えて、世論調査をやってるんじゃないの?マッチポンプっぽい話だけど。

その3。
世代間の対立に話を持って行きたくないので書くのは気が引けるんだけど、高度成長期に青年期壮年期を過ごしてきて人生に迷いが少なかった世代、がんばって努力すれば報われる、きっと明日は良くなる、って実際に良くなってた時代に第一線だった世代・・・団塊の世代とその上の世代・・・の意見がことさら大きく取り上げられてない?というのは、旧来のマスコミって、彼らのマスコミでしょ?それより下の世代は、旧来のマスコミも情報ソースのひとつだけど、その存在が相対化されてると思う。ソーシャルメディア、ネット論壇の情報に接してない層の「支持率調査」ないのって、疑っちゃう。


と、ぐだぐだ書いてみたけど、毎日毎日やられる報道機関の支持率調査、あれ見てると、なんか番組制作者側、報道側の人が、なんとかして政府、政権の足を引っ張って、支持率が下がれば手柄のように喜んで、辞任や罷免となれば「してやったり」って得意顔で自慢してるような様子が目に浮かぶんですけど。違うのかな?私の思い込み?

No comments: